昨年は中高年女性の派手な消費行動が目立ったが、「セカチュー」(世界の中心で、愛をさけぶ)、「伊右衛門」(サントリーの緑茶飲料)など若い女性がヒットを後押しした商品も多い。10代後半一20代半ばの世代は、女子高生、女子大生、OLの3グループに分類され、根底には「(他人から)見られる」ことを強く意識しているという共通点がある。
そんな世代を顧客として取り込む第1のキーワードは「美」。「VAIO」「iPod」のヒットに見られるように、彼女たちはスタイルを重視する。持ち物は自分を「かっこよく」演出するものでなければならない。自分の美しい姿を記録したり保存したりすることにも熱心だ。「プリクラ」をはじめとする写真シール印刷機ブームに端を発し、カメラ付き携帯電話、デジタルカメラなどの新製品に飛びつく。600億円超の規模に育った写真シール印刷機の市場では昨年、ナムコが発売した「雪月花」という全身シール機が大ヒットした。 |
「キレイに写る」と評判になったためだ。第2に「楽」。女子高生という「期間限定」の自己のブランド意識を背景に「今を楽しむ」ことへの執着が強い。携帯電話のゲームに興じ、マンガ喫茶でテレビゲームをする。
重要なのは、3グループのニーズの違いを認識することだ。女子高生の生活の中心は「コミュニケーション」。お小遣いは月5000-1万円が一般的だが、3000円近くをプリクラなどに使う。
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一方、大学生は「情報量」を重視する。アルバイト、サークル活動、学校などさまざまな舞台を持つため、膨大な情報や人間関係を整理整頓するパソコンなどのツールが不可欠だ。OLは「自分への投資」を惜しまない。エステや永久脱毛も一般的になってきた。
今まで「携帯で満足」だった女子高生がパソコンを使い始め、習い事を始める女子大生も増えてきた。低年齢化が生む新たな市場の先読みが不可欠になる。
中村泰子氏(なかむら・やすこ)
実践女子大卒、1988年ブームプランニング代表取締役。2004年温熱楽塾主宰。
著書「『ウチら』と『オソロ』の世代」(講談社文庫)。 |
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