4月の新学期に向けて制服をリニューアルする学校が多い。制服は今も昔も学校の印象を左右するトレードマークだ。
学校制服のファッション性が注目され始めたのは1980年代後半。DCブランドブームが制服にも波及し、89年頃から有名デザイナーと契約したブランド制服が台頭した。特に90年にモデルチェンジした品川女子学院の制服が女子高生の間で評判になり、92年には中高あわせて400校が制服を変えた。90年代後半には “制服風”の私服まで登場するなど爆発的な制服ファッションブームが起きた。
学校制服の市場規模は約1200億円(矢野経済研究所「ユニフォーム市場白書2004」)。業界最大手の尾崎商事(岡山市)は大正12年に学校制服の生産を始めて以来トップのシェアを維持。現在も約20%を占める老舗で、取引学校数は、全国で約1万校、年間150万点生産している。
尾崎商事の強みは圧倒的なパターンの豊富さと、国内4拠点で90%以上を自社生産する品質の高さにある。学校ごとに「先生と『スクールアイデンティティー』を話し合いながらデザインを決める」(同社)ほか、導入1ヶ月後には着用状況を聞いて改善を加えたり、中高一貫校では生徒が一巡する6年ごとにパターン、素材の見直しなどを提案する。制服を着る意義や正しい着こなしを学んでもらうための「着こなしセミナー」を全国約1000校で実施するなどバックアップも欠かさない。
「可愛い制服」は受験者数の増加につながり、学校の知名度や入学試験の偏差値アップにもつながるとされる。制服のリニューアルは学校経営の大事な要素だ。少子化の影響で、ピーク時には1学年あたり約200万人以上いた中高生の生徒数は現在、約半分にまで減っている。学校と生徒の両方を満足させる制服メーカーの提案に対する期待は大きい。
(写真)制服のモデルチェンジは学校経営の大事な要素
(ブームプランニング社長 中村泰子)
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